2日目(30日)
ガスの中雷鳥沢から室堂乗越に向かう。雷鳥平に向いた斜面はお花畑で、8月末の
今でもチングルマ、ハクサンイチゲなど遅れてやってきた私たちを迎えてくれた。
中大日岳手前でガスの中に安全を求めて雷鳥親子が現れた。親鳥の羽根の一部は
すでに白くなっていた。室堂方面から流れる流れる気流は大日岳稜線を超えると
ガスになりなかなか剣岳が見えない。大日岳頂上に着くころから空が変わってきた。
稜線上のガスの合間に大日小屋が浮かんでいる。赤い屋根、黄色の水タンク、小屋
の色が多色に彩られおとぎの国のお城みたいだ。 気流の流れは答えてくれた。
待望の剣岳を少しづつ、ゆっくりと、しかし確実に見せてくれた。
ランプの小屋は3人の貸し切り状態。夕暮れ迫る5時半が夕食時間。窓際に剣岳を眺め
酒で乾杯し、ラフミニノフのピアノ協奏曲第2番(スマホのアプリ)を聞きながら
非日常が続くことを願った。山仲間の友情、連帯、信頼が深まる出来事だった。
外はサンセットのドラマが始まっていた。(てつお)